大野真澄 連載

第43回 “FOLK AIDのコト”

2005.4

 ○○なコトを書き始めて今回で43回目。平成13年の10月号からですから、かれこれ3年半になります。毎回、月始めになると、今月は何を書こうかと思い悩んでいます。今回も実は、どうしたものかとあれこれ考えていたんですが、つい先日、3月5日に、東京の渋谷公会堂で行われた、「スマトラ沖地震復興支援チャリティーコンサート ~FOLK AID」について書こうかと思います。

 昨年末にスマトラ沖で起った大地震と津波による被害を受けた方々への支援を目的としたチャリティーコンサートです。

 これは、いわゆるあの時代(フォーク全盛時の70年代前半に活躍した)のアーティスト達が大集合してのチャリティーコンサートです。1月の下旬にNHKで収録された、フォーク特集番組の際に、南こうせつから、「この番組の出演メンバーで、スマトラ沖地震のチャリティーコンサートをやろうじゃないか」との発案で急拠決ったものでした。実は、この番組には、僕自身の出演は無かったのですが、こうせつから、僕にも声をかけてもらい、勿論ふたつ返事で参加を承諾させてもらいました。

 話しは、2月上旬のことだったんですが、こうせつ曰くコンサート迄の時間があまりに短くて、チケットの売れゆきが心配なので、それぞれの出演者が手分けして、手売りをして下さいとのことだった。

 彼自身も当日ステージで言っていたが、せいぜい1000枚(客席数は約2300)も売れれば御の字だろうと思っていたらしい。ところがフタを開けてみれば、チケット発売と同時に即完売で、手売りどころではなくなってしまった。僕も複数の友人に声をかけていたが、結局、枚数分のチケットを入手することが出来ずに申し訳ないことをしてしまった。おかげをもって寄付金もステージ上では、七百数十万円とのことだったが打上げの会場では、物販として売られたチャリティーTシャツなどが完売になり、額はさらに上積みされ、約八百万円を贈ることが出来たとの報告がされた。今回のコンサートに参加協力して下さった皆さんとお客さんに感謝の気持で一杯であります。

 さて、当日の3月5日、僕は大阪から渋谷公会堂に入りました。前日は奈良の河合町で、伊勢正三さん太田裕美さんとのコンサートがあり、当日は大阪泊りでした。こちらのコンサートもチケットは完売でとても楽しいライブが出来ました。そして昼の12時丁度に会場に入りました。今回の出演者は17組ということで、楽屋にはその後も、次々とアーティストがリハーサルの時間に合わせて到着します。ですからかなり大きな楽屋でしたがスタッフは入り切れずに溢れてしまう始末で、何だか始まる前から、熱いものが込み上げて来そうな雰囲気でした。

 そして、発案者の南こうせつは、出演者のこと、スタッフのこと、進行のことなどなどを確認しながら、まさに彼ひとり、目の廻るような忙しさの中でも、あらゆることに気遣う彼の姿には頭が下る思いでありました。しかもステージに上れば司会進行も兼ねていた訳ですから、そりゃーもう大変だったと思いますね。

 そんな中で、僕にとっては、かつてこの音楽業界に入った頃に最初に仕事をさせてもらった人達とも一緒になり、ある意味、もう一度あの日に戻ったように感じた日でもありました。

 一人は、ガロ結成以前に、ミュージカル「HAIR」に出演していた頃に知り合ったかまやつひろしさん。この人とはその後ガロ結成後も大変にお世話になりました。そして、もう一組はトワ・エ・モアの二人です。僕らがGAROを結成した直後、渡辺プロダクションへの所属が内定し、それと同時に同プロダクション所属で当時は飛ぶ鳥を落す勢いで、すごい人気者だったトワ・エ・モアのステージでのバックコーラスとして、約3ヶ月程、全国を一緒に旅させてもらいました。そのステージの中でも15分程の時間を削いてもらい、ガロ独自のコーナーも作っていただきました。約35年の時を経て、久しぶりに、生で聴く変らぬ二人の声に、なんとも言えない郷愁を感じてしまいました。

 そして17組のアーティスト全てが揃うと、楽屋はもう超満員状態。久しぶりに会って挨拶もそこそこに懐しい会話を交す人、携帯の番号を交換する人、弁当を食べる人、ギターの弦を変える人、パソコンを打つ人などなど、開演前の緊張と興奮の中でも、なごやかな雰囲気の楽屋風景がそこにはありました。そしていよいよ開演です。

(敬称は略させていただきました)

2007-11-20 17:42:27投稿者 : 大野真澄
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